2008年09月23日

レビューその2・二階から砲撃

今回も引き続き、映画「集結号」レビューである。
例によってネタバレ満載だから、そういうの嫌いな人は映画を見てから読まれる事をお勧めする(もしリンクから飛んで来たりしたら、注意ネ)。

さて、前回ざっくりかいつまんでストーリーをご紹介したので、今回はあれこれと小さいところで目に付いた所・気になった物を思いつくままにあげてみたい。
いや、アラ探しじゃなくてマニア的視点からのポイント抽出って意味である。

今回のタイトルは「二階から目薬」をもじってあるのだが、冒頭の戦闘シーンで歩兵砲(たぶん山砲)を二階に設置して撃ちまくるシーンがある(国府軍側)。
あれなかなか良いんじゃないかと思った。視界も開けるし、攻める側もちょっと大変になるしね。
作中では梱包爆薬で吹っ飛ばそうとするが二階まで投げ上げるのは大変そうだった。まあ手榴弾があれば二階程度なら苦もなく投げ込めるけど、何せ物資に乏しい(筈?)の国共内戦だからそれなりの効果は望めるんじゃないだろうか。

ちなみに一番スリリングな戦闘シーンはこの冒頭の市街戦だ。
その後にくる炭鉱の塹壕陣地をめぐる攻防も力が入っているんだけど、「準備万端で待ってます」に「正面から人海戦術」だから、お約束の安心感を持って見れてしまうんだよね。

その冒頭市街戦シーンだが、一見どノーマルのスーパー9みたいな銃が出てくる。ストックが途中で終わっていてバレルだけがにゅーっと突き出している奴だ。しかもストックの前端にはボロ布が巻かれていて、始め何だかわからなかった。
実はこれ、ジョンソン自動小銃である。M1ガーランドと米軍正式自動小銃の座を競ったが破れ去った・・・確か試作だけじゃなかったかな?と思いちょこっと調べたら、オランダの外地軍が対日戦用に発注したけど納入前に占領されてしまって浮いた奴を、空挺部隊や海兵隊に納入したそうで、海兵隊ではレイジング短機関銃に替わって配備され好評だったとか。
10発のロータリーマガジンは、チャンバーに弾が入っていてもクリップから途中給弾可能とか、ストックが途中までしかないのは実はフローティングバレルだとか、結構マニア好みの面白いメカ搭載の銃である。
こんなのが出てくるとはビックリ。しかもこれ、続く塹壕守備戦でも活躍してたし。
ふとオリジナルのスーパー9がいじりたくなってしまった。

それだけじゃあない。政治将校が持ってるのはステンSMGだ。
確かにインドで再編成された国府軍は英軍装備だったけど、アジア戦線でステンなんか使ってたっけ???
私の少ない見聞の範囲では、国府軍の写真・資料類でステン持ってる奴を見た事はないのだが、ありそうっていえばありそうでは、ある。
ちなみにこれ使ってる政治将校は、アー○ズマガジンの日本軍しか紹介しない2ページ見開きのところに出てくる着装オヤジにちょっと似ている。

それにしてもジョンソンにステンって・・・何故?(嬉しいんですけど)

市街戦の開始直後、中共側攻撃の初弾は国府軍メット正面の青天白日章ブチ抜きである。
うーん「血戦上海灘」でも眉間に一発から始まったなあ。ヘッドショットはやはり始まりの基本という事か。

主人公はライフルがメインアームなのだが、腰に付けている革製手槍用MAGポーチは4連だ。
中田商店で売ってるトカレフ用ホルスターとセットになってる奴は2連なのだが、同じデザインで容量2倍ってのは実戦的なのかも。欲しい。

ふっと気になったのが、銃剣を右腰に吊ってる事だ。
日本軍だと左腰だし、ずり落ちない様に「剣吊り」なるパーツまで服に装備してるがこれって世界共通でもなかったんだ?
まあいずれにせよ、サバゲでの銃剣なんて邪魔な以外に何の役にも立たないから我輩にとってはどうでも良いんだけど。

そうそう、ちらほらといろんなシーンでいろんな人が下げているのが見え隠れしているモーゼル用のストックホルスターだが、これはしっかり中国製だね(持ってるから一発でわかる)。
おなじみのモンが出てくると、何となくちょっと嬉しかったりする。

炭鉱陣地戦の際には戦車が出てくる。張りボテでシャーマンぽくしてるんだが転輪回りが妙にスカスカなんだけど、何をベースにしてるんだろ?
ま、個人的には現用戦車をペイントだけ変えてそのまんま出されるよりは張りボテでも何でも当時の物に近づける様努力してくれた方が数倍良い。
本物レプリカが使えればもっと良かったんだけどね。
小火器のところは随分頑張ってたのに、ここはどうしたのかな?

ちなみにこれを迎え撃つ対戦車砲(ではないと思うけど、まあ一応)の車輪は荷車のだったりするところが紅軍っぽくて良い(ちゃんと「良い物見つけて来た」とかいって運んでくるシーンがある)。

歩兵が対戦車戦闘といえば、忘れちゃいけない火炎ビン。映画「冬戦争」でも大活躍してたけど本作でもがっつり出てくる。
ただ、ビンが大きくね?一升瓶みたいなんですけど・・・
ま、あれだけでかければM4といえどただでは済みますまい。

塹壕陣地防衛の要としてちょっと面白かったのが、ドラム缶使用の砲(梱包爆薬投擲器?)が出てくる事だろうか。
当初、ドラム缶は爆竹を入れて重機関銃の音だけっていう八路軍戦術でもやるのかと思っていたが、座布団みたいな梱包爆薬飛ばして敵の攻撃を粉砕するとは。
4基据えられた様は、重迫撃砲みたいだった。

戦車はその後の抗美援朝(朝鮮戦争)シーンでも、上の方の張りボテを手直ししてまた出てくる。
今度はパットンだかパーシングだかっぽくしてるんだが、別にシャーマンのままでも良いのにね。
逆に言えば、朝鮮戦争の場面ではこの位しか印象に残ったものがない・・・
まあ砲兵隊所属だから人海戦術とかかますのも変だしね。

で、主人公が帰ってくると軍服が一新している訳だ。
抗美援朝で米軍の新鋭装備と物量作戦に触れた彭徳懐が軍近代化の必要性を痛感、ソ連に倣った階級制の制定や新軍服の採用が行われる訳だが、この通称55年式と呼ばれる軍服が今度はたくさん出てくる。
87年以降の改変で再び階級制度が復活した際のものにもやや似ているが、この頃のは制帽の帽章が上の部分(クラウンと言うのかな)ではなく、もうちょっと下の垂直な部分に付くのが大きく異なる。
この55年式がまた、主人公がかつて活躍した時と時代が変わった事を如実に表している様に思う。
もう知らない人がみたら別の国の軍隊だろうなあ。

さてさて、で全編通じて気になったのが食事シーン。「横空出世」でもそうなんだが、中国映画って妙なところで食事シーンが出て来てまたそれが気になるんだよな。旨そうで。
本作中でも普通にメシ食ってるところだけじゃなくて、炭鉱(援体壕)の中で蒸しパンみたいなの食べてたり司令部でもパンみたいなの食べてたりと、何度もそんなシーンが出てくる。

ちなみに我が軍の「戦場でもちゃんと中華」ってのはこの辺の影響も多分に受けているところがない訳ではない。

・・・以上、2回に渡って思いつくまま書いてみた。
もう見てから一週間近く経っちゃったし、そもそも英語字幕(追いかけるのも1苦労)読みながらの映画鑑賞なので、思い違いとか見落としとかもあったかも知れない。
さらっと1回見ただけなんで、まあこの辺が限界である。
時間が出来たらもう1回ゆっくりと見返したいものだ。また見るだけの価値はあると思う。
posted by 紅中兵 at 00:15| 東京 ☁| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評・映画評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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