2010年06月03日

映画レビュー「戦場のマリア」

久々に貸しビデオ屋に行ったので亜細亜のコーナーをふらふらしていて抗日戦モノを見つけた。
タイトルからして全然食指が動くようなモンじゃあなかったんだが、国府軍服がわりとしっかりしてそうに見えたので、被服製造の参考に、程度の気持ちで借りて来た。
まあ例によって突っ込み所満載だったり次々とこの後の展開が読めてしまったりするのはお約束として、それ以外で良かれ悪しかれ軍事オタクの視点から気になった箇所等をピックアップしてみたい。
まあ、参考になるのは中国軍マニアだけだろうけど。
例によってネタバレ容赦なく書きなぐるので、もしかしたら知らない方が楽しめる内容があるかも知れない(その前に展開が読めてしまうという事には触れないとして)ので、そういうのが嫌な人は注意されたし。
とはいえ、ストーリーを頭からなぞっていくつもりも無いのであらすじを知りたい人には役に立たないヨ。

抗日戦(日中戦争)が時代背景なので、当然ながら日本軍は悪者である。が、いつもながら何故か中国映画の日本軍って何か足りないんだよね。その理由がこの映画でははっきりわかった。
まず、装備品である。腰周りがやたら軽装なのだ。まず、裾を軍袴に入れちゃってる。しかも水筒位しか吊ってない。んで銃剣が右腰に。ヲイヲイそれって中国軍だろ!
旧軍歩兵でしかも行軍中と考えると、仮に背嚢はどっかに残置してるとしても雑嚢も無いってのはどうかと思うし、弾薬盒の位置も変な上に後盒が無い。前盒は脇に「ぶら下がって」いる。
で、加えてゲートルの巻き方が酷い。その辺の高校生マニアがきちんと調べもせずに適当に巻いてゲームやったらこうなっちゃったみたいな感じの奴もいた。ちなみにこの時代は中国軍もゲートル使用してたので、当事の本職だったらなんちゃってゲーマーみたいな無残なサマを晒す事はない。昔見た何かの特集番組で、長征に参加した年寄りのインタビューでゲートルの巻き方を語っていたが、旧軍同様にちゃんと折り返してたぞ。写真で見ると皆ゴボウ巻きみたいだったのだが、へえー旧軍と同じジャン、と思ったのを覚えている。
階級章で星2つ(真ん中の線なし)の奴が「軍曹」と呼ばれていたり、将校も妙に上着がだぼだぼで全然かっこよくない。将校は軍服も自弁でほとんどオーダーメイドだから体に合ってないなんて有り得ない筈。
なので、日本軍というよりは傀儡政権軍に近いんだろうな。ま、一番近いのはホームセンターの作業着とかそれっぽい背広改造でなんちゃって旧軍やってる高校生マニア(別にそれが悪いと言ってるんじゃありません。雰囲気がそんなだという事)。
でも、頑張って日本語喋ってる。その所為で字幕も出ないし聞き取りにくいしで長セリフは何言ってるんだか良くわかんなかった。
が、これはきっと流行るだろうというのが1つ。件の「2つ星の軍曹」が捕まえた尼僧を尋問する時のセリフ。

「ナカマハ、ドコダ!」

私的にはウインドトーカーズの「ホリョダ」に匹敵するインパクトありだった。

銃器類も三八とかちゃんと使ってるし、将校は南部十四年式だった。でも何故か最後の教会包囲戦ではいちいち1発毎に隠れてたのは何故?もしかして●イ製でコッキング?
南部はこの後、終戦の詔を受けて降伏に行った指揮官を承服出来ない下士官が奪取して使うシーンでも目にする事が出来る。トカレフとかで誤魔化したりせずちゃんと使ってるところは嬉しいね。

中国軍(帽子に晴天白日章が無いなーと思っていたら案の定、国府ではなくて新四軍でした。)の装備に目を転じると、中々雰囲気出ていて良い感じ。ちょうど私が作った国府軍制服っぽいぺらぺら感が嬉しい。でもポケットとか綺麗に縫い付けてるなー。さすが本職(そういう視点ばっかりです)。
服以外に、軽機担当者のチェコ銃マガジン用革ポーチとか、資料写真でしか見たこと無い奴がカラー動画でいろんな角度から見れるのは非常に嬉しい。ちなみに分隊支援火器はチェコ銃ではなく、これまた珍しいノイハウゼンKE7。以前当ブログでも触れた、G3にすごく似ているアレだ。フロントライン(ペットの蚤取りじゃなくて継続戦争の映画)とこれぐらいしか出てくる映画を知らない。まあ資料写真で何度か見たことがあるので、実際に中国軍で使っていたのは事実の様だが、よくまあこんなにいろんな銃を集めて運用していたものだ。
最後の教会篭城戦の際はちゃんと2脚を広げて玄関に陣取って日本軍の進入を阻んでいたのがカッコ良かった。
ただし、教会の鐘楼から狙撃&乱射の際だけは11年式軽機(あの特徴あるホッパー弾倉がはっきり見える)。もしかして軽機は2人いたのか?

小隊長のトンプソンも毛色が変わっていて、レシーバー部はM1A1の奴(簡易照門と右側のコッキングレバー)なのに放熱フィン付き・ハイダー付きのバレルにグリップ部有のフォアグリップ、とまるでマルイ改造キットを組んだ人みたいなタイプだ。しかも同口径が活かせるガバをサイドアームにしている。

銃器類は楽しませてもらったが、気になったのが水筒。中田で売ってる飯盒付き水筒を提げてる。確かにあれ便利だよね。でもこの時代のモンじゃ無い筈・・・ただ、色もそのままの全く中田御用達状態なのに、妙に違和感なかったのが逆に気になってしまった。今度何かのイベント時に「戦場のマリア仕様です」と言い張って使ってやろうかな、飯盒付き水筒。
ちなみに当事の中国軍はドイツ軍のに酷似した型(ただしキャップ部にカップは付かない)の外、米英から供与を受けていたのでそのまんまのも使っている。うちにある本には米軍M1ヘルメットに英軍水筒の国府軍兵が写っているのがある。

ストーリー的には「あーもうコイツ次にはあれするよ」みたいなのが容易に読めてしまうのだが、戦闘シーンのヤル側(ヤられる側はかなり適当)はそこそこ良い動きをしていた。特に感心したのが、日本軍に進駐された教会に裏口からそーっと侵入して来て、建物を制圧するシーン。我々が目標とする「長物によるインドアエントリー」の参考となる動きを見せてくれた。
思わず我々もトンプソンとG3とVSR−10でフロア制圧をやりたくなる。ってこれ「上海事変でGO!」のコンセプトじゃん!

さて、ネタが繋がったところでこの日曜はいよいよその「第五次上海事変でGO!」である。
今回もリトル上海で存分に暴れて来るぞ!
posted by 紅中兵 at 23:34| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評・映画評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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