2011年02月19日

書評:虎口からの脱出

以前ここで紹介した「野鼠戦線」関連でちょっと探し物をしていて同作者の同じ頃の時代を舞台にした作品があると知り、早速古本屋を回って探し求め、読んでみた。
今回はその一冊、「虎口からの脱出」のレビューである。
作者の景山民夫は晩年、新興宗教にハマって私は失望したが、残した作品がすばらしい事は素直に認めたい。
「野鼠戦線」もそうなのだが、ちまちまと考証がどうとかではなく、娯楽作品として面白い。
そんな訳で、いつもの様にネタバレあるのでもし嫌な人は以下については自分で読んでからにされたし。

本品、前半は本題の伏線となる主人公及びヒロイン達の事が記述されているのだが、それ以上にボリュームを感じたのが満州事変に至る動きである。それもところどころ虚構を交えつつ、かなり史実に基づいての展開がされるので、「野鼠戦線」みたいな始めっから飛ばしてくれる展開を期待していたら前半はかなり忍耐を求められるだろう。
ちょうど半分位で満州某重大事件勃発、ここからの展開は「待ってました!」な訳でこうなるともう、日本軍に中国軍に中国マフィアと、次から次から追っ手があの手この手で現れては主人公一行の捕縛に失敗して消えていく。このスピード感をもっと早くから出して欲しかったなーと思う。とにかく1930年代の車での追いかけっこはかつてクラシックカーマニアだった私としてはかなりツボな展開で、思わずエクスキャリバー(知ってるかな?)あたりを乗り回してみたくなってしまった。
ラスト脱出はどうなるのかと思ったが、まあなるほどと言えよう(さすがにここをネタバレしたら面白くないので、記述は控える)。
で、最後にネタバレ的な説明があって大団円となる。
そんなこんなで後半はあの「野鼠戦線」を髣髴とさせるテンポの良さと伏線タネあかしなストーリーでスッキリ楽しめる事うけあいである。

ストーリー的には前半の冗長な部分を上手く端折る事が出来たら、ハリウッドばりのアクション映画が作れそうな気がするのだが、これは是非邦画ではなく香港とか米国のド派手アクションが得意なところで映像化してくれないかなーと思う次第。
posted by 紅中兵 at 02:13| 東京 ☀| Comment(0) | TrackBack(0) | 書評・映画評 | このブログの読者になる | 更新情報をチェックする
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